中国人怪獣 刘美 (リュウメイ)との思い出

刘美(リュウメイ)との思いで

一つ私の経験を紹介します!!

  ある時公園で知り合った刘美(リュウメイ)というおばちゃんがいました。彼女は大変外向的な人で向こうから話しかけて来て、何度か会う内に親しくなりました。いつも私に、うちに食事に来い!と言ってくれるのである日食事をしにいきました。

 そこで初めて中国人が普段食べている食事を食したのは今も鮮明に記憶に残っています。私は日本の中華料理をよく日本で食べましたが、普段の中国人が食べている食事は私が知っている中華料理とは全く違ったもので正直言うと、全く美味しそうに見えないものでした!
 テーブルにバン!と肉の料理と、野菜の炒めたものが置いてあって、馒头(マントウ)という肉まんの餡(あん)無しの硬いものが出されて、それをワイワイ言いながら食べました。その時のわけのわからないものを、箸でつまむという勇気を今でも覚えています。

 刘美はもう70代で彼女は日本に決していい印象を持っていませんでしたが(中国の教育の影響で)それでも、一緒に食事をしていくうちにお互いに信頼関係が生まれていきました。

 刘美はその後もよく私を助けてくれました。彼女は大変ユニークな人でもあります。彼女は中国の北の方の出身でとてもオープンな性格です!南の人は日本人と性格が似ていると彼女は言っていました。つまりおとなしくて彼女に言わせると、何を考えているのかが分からないそうです。

 私は彼女と色々話し色々中国について教えてもらえました。(彼女の独断と偏見が凄かったですが・・・)

 今でも思い出す彼女を象徴する事件があります。

ある日彼女と公園で話していると私に彼女が

「おい 私について来い!」

 と突然言い出し、私は彼女の後をついて行きました。着いた先は病院で、私は初めて中国の病院に入りました。人がごった返して整理券をとらなければ診察がしてもらえないらしく、彼女と何故か列にならびました。

 しばらくすると彼女が二階の受付らしいところへ行って、何か手帳をもらって来いというので私は訳もわからず、二階へ行きました。言葉もそんなに通じないので身振り手振りでなんとか目的を達成し彼女のところに行くと、

彼女は「診察券もらえたので診察に行くからついて来い!」

こんな感じて私を病院の4階につれていきました。

 だんだんとわかってきたのですがそこは歯を治療するところで、彼女は歯が痛くて私に付いてきてほしかったのだ、 と理解しました。

私 「まあいいかぁ 。。」

 

しばらくしていると・・・・・・・・・・・・・

 

紙エプロンをした彼女が笑いながらこっちに向かって歩いて来ました。

(ちなみににその紙エプロンはよだれで色が変わっていました)

彼女 「ははっはは・・・」

彼女は笑っています。!?・・・・・・・・・・・・意味が分かりません!?

 

彼女は 歯が痛いと思って歯医者に行って診てもらったら

 

「あなたはもう歯がないでしょう」

 

と医者に言われたそうです!

 

彼女は

「そうだ この間歯を抜いたのを今思い出した!!」

 と笑いながら言うのです。

つまり彼女は、歯が痛いと思い病院に行ったものの、歯が無かった・・・・という致命的なミスを犯したのです!

もちろん彼女は治療の途中で、笑いながら、病室を出て豪快に去っていきました。私に一言も言わずに・・・・

私が必死に手にした手帳ももちろん全く意味がありませんでした。

 

最初は私は意味が分からずにいたのですが、だんだんと分かってきました。

 彼女は日本で言うと完全な天然な人で、その日その日を楽しんで生きているような人でした。

 なぜこんな風に考えるのだろうと分析してみると、彼女は文化大革命という大変な時期に、国から翻弄された経験があったので、修羅場を何度も経験してきていてその場その場を生きていくという感覚が身に染みているのが分かってきました。

 

 私はなぜかまったく腹が立たず彼女と大笑いしたのを覚えています!

 

 皆さんは私のした事を不思議に思うかもしれません。色々振り回されましたが、でもなぜか私は彼女といるのが楽しくて、一緒に時間を過ごすようになりました。

 彼女の事を話すと時間が足らなくなってしまいます!これはほんの一部にすぎません!!!

 

 また次の機会に紹介します!!

 

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